新型コロナウイルス、アベノマスクから思う医療現場で思うこと
医療現場で働く僕たちの元に
国の方から宮崎県薬剤師会に
5000枚のマスクが届くとアナウンスがあった。
宮崎県全ての薬局に配布すると、
1薬局あたり10枚の配布。
スタッフ6人いる薬局で、1日分のマスク。
これが今の現状で、より最前線で働いている
医療従事者のことを思うとやりきれない。
僕も微力ながら日々薬局で
医療に携わらせてもらう中で
思うことはたくさんある。
無症状または軽症者による飛沫感染や媒体物でうっかり他人に移してしまう可能性は、
毎日ニュースで取り上げられてもなお、
自粛に温度差があり、
感染者を減らすことができていない。
若いから安心、老いてるから心配というわけではない。
年齢に関係なく軽症者の一部が
急速に重症化している現状は
ニュースで報道されている通り。
新型コロナウイルス肺炎の怖いところは、
「無症状陽性者がいる」
「ある確率で重症化する」
「基礎疾患のない若年でも重症化・死亡する」
ということ。
病院は陽性者が出ると
閉院や隔離などの対応を迫られるため、
このままでは
「感染者数に対して確保病床数が足りない」という
問題が起こってしまう。
そしてさらに深刻な”医療崩壊”は、
外来の停止・救急受け入れの停止・予定手術の延期が
次々に起こってしまうということ。
いつもなら治るはずの病気や怪我が診てもらえず、助かるはずの命すら助からない状況を作っている。
もし、がんの手術が予定されていたら?
もし、出産を控えていたら?
目の前の30代の男性を助けるのか
もしくは80代の女性を助けるのか?
人工呼吸器ひとつ誰に付けるか
命の選択はあってはならないはずなのに。
もっと真剣にこの問題に向き合って欲しい。
「自分さえ良ければいい」と
買い占めに走るようなことはあってはいけない。
デマやフェイクニュースに流されるのもよくない。
でももっとよく考えて欲しい。
1世帯あたり2枚の布マスクを配る
アベノマスクが報道されるや否や、
ガッカリした人も多く、
「マスクの前に金だろ!」と言わんばかりに、SNSだけではなく日本中が炎上していた。
だけど国がなぜそう決めたのか
もっとよく考えて欲しい。
布マスクを国民に配ることで、
使い捨てマスクは、医療機関に優先的に回したい、これが真意なんじゃないのかな。
医療現場の最前線で、働く人はロボットじゃなく、同じ人間で、帰る家もあって、愛する家族もいる。
感染リスクを最大限受けながら日々、
医療崩壊ギリギリのラインで
コロナ患者やその他いつも通りの医療を提供している。
マスクや防護服もないまま
従事している人もいると聞く。
東京と宮崎では感染リスクが
比べ物にならないくらいが、
薬局に支給される10枚のマスクも心細いけど、アベノマスクがなければ、
前線で頑張っている人はどうなるのか?
もし自分が感染した時、医療崩壊が深刻で
助からなかったら?
自粛疲れからストレス発散を、何か不満という形でぶつけたい気持ちも分かるけど、
こんな事態にまでなっても批判する人を見ると、ひとりの医療人としてマスク10枚より悲しい。
僕だって、肺がんの基礎疾患があるから
コロナに感染したくない。
明日から緊急事態宣言が発令されるかもしれない。
自分が住んでいる地域は安全だからと
傍観者で文句をいうなら、コロナではなく、
インフルエンザに罹って1週間寝込んでいてください。
もしくはコロナと一緒に炎上し燃えて欲しい。
少し乱暴な言い方になってしまったけど、
僕たちは未知の脅威と戦っていることを
みんなが認識して、情報を正しく理解し、
パニックにならないよう行動する。
誰もが厳しい状況に置かれているのは変わらない。
感情的になり怒りや不安を抑えることは
難しいのかもしれないが、
こんな状況だからこそ、相手を思いやり、
みんなで乗り越えようと思う気持ちを拍手にかえ、感染リスクを負いながらも懸命に働く人にありがとうと伝えれる人は、素敵だと思う。
情報社会だからこそ、どの情報を信じ、人に踊らされず、責任を持って行動できれば、きっと乗り越える。
自分の命を大切に思うように
周りに人を守れる社会に生まれ変わりたいと強く思う。